真夏の夜の青い夢

全てが青かった。頭の中も、心の中も、染み込むように青かった。血液までが青かった。頭の中身が空色に全て埋め尽くされた。そこに赤がやってきた。それは、僕の思考の邪魔をし、血色が悪くなって行くのがわかった。目に痛い煙が入ってきて目が痛かった。でも、眠ろうとしても眠れなかった。熱いものが僕を眠らせなかった。僕は不幸と幸福の区別がつかなくなった。そして、ケンランたる惰性に満ちることのない奇妙な感覚が終止僕を襲ったかと思うと、深く悲しく美しい感覚で僕は覆われた。それは、とてつもなく安全で、一見すると不健全であったが、実際の脳の健康というものは、このやうなドクロとか黒魔術的なものにこそ存在することはわかっている。そこに人間の不思議がある。この不思議の素晴らしさを知らない人は醜い存在である。ではなぜ、彼らは美しいこの悪魔の世界を嫌うのか?それは、彼等が昔、悪魔だったからで、それを小学生の時に捨てなければいけなかったからだ。天使として子供時代を過ごした人々は生涯悪魔にとりつかれるのだ。しかし、悪魔を認めない醜い人々はうざったい笑顔とむさくるしい貧弱な精神から発生する美を、それは美ではないのだが、美と勘違いする。それは、あたかも苦しみこそが美徳であるというような、嘘に満ちた欺瞞の世界である。なぜ、僕がこういうことに気がついたか。それはわからない。僕はずっと暗いところに閉じ込められている。だからわかった。それはみんなも知っているはずだ。夜に外を出歩くと、僕は光っている。月もおろおろしながら光っている。僕は月と連絡をとっている。月が湾曲したときは、僕のけんらんたる考えは歪み、醜くなっていく。欺瞞に満ちて行く。それが耐えられなくなるとき、月は丸くなる。そこで僕の頭の中はまた青く輝く。