現在進行系「光技術入門編」

まずは、光ネットワークとはどんな感じなのか、大きな意味での図を示します。図の中に書いてある詳細は後から説明します。

 

このような感じです。ムズカシそうに見えますが、LA,というのと、ETというのがわかるとすっきりします。

  1. LA=LineAmplifier=光の減衰を抑える。
  2. ET=EndTerminal=終点(終端)。

などとなります。上記図でわかるように、最も大きな光ネットワークはOC-192で構成されています。

やや中くらいの大きさ(メトロリング=人口密集地域など)ではOC-48になっています。

SDHという言葉が出てきますが、これはSynchronousDigitalHiearchy(同期デジタル構造)の略で、デジタル式で同期(入ってくるデータと出て行くデータのタイミングが同じ)で、デジタルな光ネットワークのことです。SONETという言葉がありますが、こちらはSynchronousOpticalNetwrokの略で、80年代に決められたやや古めの光ネットワークの世界標準です。しかし、SONETを使っているネットワークはまだあります。

他にはDWDMという言葉と、OADMという言葉が出てきます。上の1で説明したLAと一緒に簡単な説明をします。                   

DWDMというのは、多数の光ファイバから入ってくる情報を一本の光ファイバにまとめて送ってしまい、出口で元の状態に戻すことのできるネットワークの各重要ポイントで用いられる技術です。

OADMというのはOpticalAddDropというもので、光ネットワークの中で情報をADD(足したり)、DROP(落としたり=情報を得る)します。

DWDMの大きな特徴は、時間的にもエネルギ−幅的(=色々な情報) にでも色々なスピードでも(OC??)、SONETでもSDHでも全ての情報をひとまとめにして別の地点に(かなり遠くまで:場合によっては数千キロ)運べるということです。

上の図には載ってませんが、OXC(OpticalCrossConnect)と言って、光情報を分岐して、別のネットワークに転送する働きをもつものもあります。下図にそれを示します。

ここでは、一番大きなネットワーク(基幹ネットワーク)から県内・都市などの人口密集地域(メトロ)にOXCを用いて情報を分岐しています。

メトロの中では、OADMというのがさかんにでてきますが、これを説明します。OADMとはOpticalAddDropの略で、情報を足したり、引いたりするものです。このOADMは前記DWDMの中でも使われることがあります。例えば下図のように使われます。

ここで、DWDMとOADMを同時に説明しようと思います。DWDMとは、左に示すようにこの場合16本の光情報をTerminalと書かれた赤いところでひとまとめにして、右側にある赤いTerminalまで(この場合600km)運び、元の光信号に分割する技術をいいます。これに対し、この場合は120km毎に情報を足したり引いたりするOADMがついています。この一本のファイバにまとめることのできる本数は1000本くらまで現時点では実験で成功しているそうです。このDWDMが如何にしてそのような魔法を可能にするのかは後述します。

DWDMをもう少し簡単に説明した図があるので、もう一回紹介します。

これも同じです。この場合は4本の光信号を一回まとめて後から一緒にしています。問題は、というか凄いのは、青い一本のファイバは時には数千キロにもなるということです。ちなみにこの場合は、SDHとなっていますが、DWDMは、SDHでもSONETでも色々な光ネットワーク形態にこだわらずに光をひとまとめにして送って、後から元に戻すことができます。

さて、ここで、純粋な疑問が沸きます。数千キロにも渡って、光のエネルギーは減衰(減ったり)しないのか、ということです。当然減ります。なので、光の「強度」の増幅器というのがあります。これは一般的にEDFAというものが多く使われています。EDFAとは、ErDopedFiberAmplifierの略で、Erという光に照らされると光を発するという物質が光ファイバの中にちりばめられた光ファイバが使われます。イメージ的には下図のようになります。

正に中継器、光ファイバアンプです。アンプとは英語で増幅するという意味です。Er(エルビウム)という物質は不思議な物質で、光ファイバの中に入れておくと、減衰しそうになった光信号を元に戻してくれます。一番上の図でLA(LineAmplifier)というものが一番大きなネットワークの各所に設置されていましたが、減衰を防ぐためです。

これで数千キロもひとまとめにされた情報は転送できるということになり、現実にこのシステムは使われています。途中で、情報を足したり引いたり(OADM)、途中で減衰を防いだり(EDFA)などをしながら「向こう側で」光は元の形に戻されます。いっぺんに多くの情報を送ることが必要とされている現在、非常に好ましい手法です。

さて、ここからが本番です。一体、どうやって、このDWDMというのは複数の情報をたった一本の光ファイバで送ることができるかです。

ちょっと休憩。、、

さて、問題は上の図で、「DWDM伝送装置」とか、「DWDM端局」、「Terminal」などといわれているものの中身です。色々な場合があるのですが、現在日本で代表的なものとされているものを下図に示します。ちょっと難しいので心の準備を、、

さて、まず一番左側です。この場合64つの光信号がTxトランスポンダというものを通して32と32に分けてAWG(光合成器)というものに入っていきます。このトランポンダというのは、入ってくる光をある特定の光のエネルギー幅に収める役割をしています。通常のDWDMではC-Bandとよばれるエネルギー領域とL-Bandと呼ばれるエネルギー領域を使います。Txトランスポンダというのは、その役目をするのですが、この場合は、上の32がC-Band用で、下の32がL-Bandのようにできています。

そして、C-Bandエネルギー領域内で、色々な自分の場所(エネルギーの位置)を見つけた光は、AWG(光合成器)によって、一つにされます。この図の場合では、さらに、C-Band帯とL-Band帯からの信号をバンドカプラと呼ばれる合成器でいっしょにしています。そして、右側では逆のことを行います。今度は光分割を行います。ちょっとイメージ的に難しいので、この光分割器(AWG)の図を紹介します。

入ってくる光を溝のようなところを通って一回一緒にされ、後から溝のようなところを通って再分割されます。右側に示すように最後にはλ(一本の光)に戻されます。この中で、光合成というのは一体どんな感じなのかを示すのが下図です。

この場合FDMと書いてありますが、DWDMとは、FDMとTDM(時間毎に入ってくる情報をどんどん流して行く)を合わせたものです。

この場合に、光が一緒になって、形が崩れそうになったりしないのかという素朴な疑問がありますが、それは、光が異なるエネルギー帯を「通って」いるので、相互に邪魔をしないようになっています。それを概念図的に示したのが下図です。

一つ上の図だと光は同じところを一緒に動いているように見えますが、エネルギー的には(Hz:縦軸)別のところを移動しているのです。これは見方の問題で、空の上からみたら同じところを動いているように見えるものです。空をよこから見ると違う高さのところを飛行機が飛んでいるようなものと考えればいいと思います。

さて、もう少し詳しく光について調べます。下之図はある会社が考えるDWDMの構造です。

この図は結構詳しく描かれています。今までの図のまとめのようなものです。ここで私が注目したいのはアイソレータという左から2番目のものです。これは、光がある傾きをもっているので、一定の傾きのものだけにしてしまうという(考え方によれば無駄なものを省き、綺麗なものだけにする)というものです。この会社の場合は、光の傾き(偏向)を最初にとってしまい、後から問題(傾きが違い過ぎて混雑や光同士の反発などが起こる)になるかもしれないことを除こうというものです。しかし、最近では、光の傾き(偏向)をもうまく処理してしまうシステムなどが出来てきており、このアイソレータというのはいらなくなるかもしれません。アイソレータの後には光を特定のエネルギー領域に変換する変調器というのがついています。これは上の方でいうトランスポンダなどと考えるとよいと思われます。そしてカプラがあります。このカプラというのは光が通ることのできる溝が作られており、その中を光が通ることによって、別の光と一緒になったりするためのものです。

そして、その後に最大の問題「MUX」というのがあります。このMUXという言葉は良く出てくるのですが、光を合成するところで、DWDMの魔法の部分(1000本の光情報を一本にまとめてしまう)ところです。その後、EDFA(Erドープ増幅器:光の減衰を防ぐ)、そしてOADM(情報を足したり、引いたりする)、そして最後に「DEMUX」があります。このDEMUXはMUXの逆で光を分割してもとの状態に戻します。

現在、最も注目されているのは、このMUXとDEMUXをする部分です。このやり方として、数々の画期的な方法が考案されており、各社しのぎを削っています。今回はこれくらいにしておきます。